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「考えて仕事しろ」と言われている社会人の人は、「考える」より「逡巡」してませんか?

「考えて仕事しろ」と言われている社会人の人は、「考える」より「逡巡」してませんか?

上司や先輩に「考えて仕事しろ」と言われるけど、自分なりに一所懸命にしているので、これ以上どうしたら良いのかと悩んでいる社会人の人は結構いるのではないでしょうか?

上司や先輩の「考えて仕事しろ」にはその人の考え方や仕事内容、業種などによってさまざまな意味が含まれていますが、私が部下や後輩を見ていてよく感じたのは、「考える」と「逡巡」がどちらも「頑張って考える」に含まれているということです。(という私も若いころには言われてたのですが。。)

「考えて仕事しろ」と言われている社会人の人は、「考える」より「逡巡」してませんか?

まず、「考える」とはどういうことかというと、「デジタル大辞泉」によると

1 知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。
㋐判断する。結論を導き出す。「こうするのが正しいと―・える」「解決の方法を―・える」「よく―・えてから返事をする」
㋑予測する。予想する。想像する。「―・えたとおりに事が運ぶ」「―・えられないことが起こる」
㋒意図する。決意する。「留学しようと―・える」「結婚を―・える」
2 関係する事柄や事情について、あれこれと思いをめぐらす。「周囲の状況を―・えて行動する」「くよくよ―・えてもしかたがない」
3 工夫する。工夫してつくり出す。「新しいデザインを―・える」
4 問いただして事実を明らかにする。取り調べて罰する。
「―・へられつる事ども、ありつる有様、願をおこしてその力にてゆるされつる事など」〈宇治拾遺・八〉
5 占う。占いの結果を判断・解釈する。

とあります。では、一方で「逡巡」はというと、

決断できないで、ぐずぐずすること。しりごみすること。ためらい。「大学に進むべきか否か逡巡する」

とあります。もう少し「考える」と「逡巡」について説明すると、例えば、食事に行ってメニューを見て、何を食べるかを決めるというシチュエーションにおいて「考える」と「逡巡」の違いは以下のようになります。

「考えて何を食べるか決めている」とは、自分の健康状態などを考えて、カロリーや栄養素によって、何を食べるか決めている状態で、「何を食べるか逡巡している」とは、こっちも食べたいけど、あっちも食べたいどっちにしようか決めれない状態です。

少しわかっていただけたでしょうか?つまり、何かの目的、目標があって、それに対して結論を出すということです。ダイエット中の人がカロリーが一番少ないものを選んで食べるというのは考えた結論として何を食べるか決めたということです。食事に対して、何を食べるか考える必要のない人がどれを食べるのか悩んでいるのは決断できないだけです。(もちろん食事において常に考えて何を食べるか決める必要はありません。一例です。)

仕事において、「考えて」ますか?「逡巡」してませんか?

では、仕事においてはどうでしょうか?ちゃんと考えることができていますか?「考えて仕事しろ」と言われている人は、大きく3つに分かれます。一つは、「考えるのではなく逡巡している」二つ目は「考えずに行動をしている」です。最後の一つは考えているけども考えが上司、先輩から見て必要な水準に達していないという状況です。

考えるのではなく逡巡している状態

例えば、何かの企画を与えられたとしましょう。大きなビジネスの企画でも会社の忘年会、新人歓迎会の企画でも構いません。

企画というのは、「あるべき姿」や「到達点」を定めて、それに対する材料を集めて判断をしたり、アイデアを考えるということです。

会社の忘年会のお店を決めるので、「食べログ」や「ぐるなび」を眺めて、どのお店にしようかなぁって決めかねてるだけの状態は「逡巡」していると言えるでしょう。逆に、参加者の好みを聞いたり、過去に利用したお店を調べた結果をもとにどういったお店にするのかを決めるのは「考えている」と言えます。

忘年会のお店選び程度でしたら、「〇〇さんの好きなお店でいいよー」みたいな感じで考える必要がないケースももちろんありますが。。

ビジネスのアイデアを考えないといけないケースも同様です。材料も集めずに頭の中だけでどうしようかと悩んでいるだけの状態は「逡巡」していると言えます。

冒頭に書いた「デジタル大辞林」の「考える」の説明を読み直してみてください。仕事において「考える」とは一つ目の説明がまさに必要ですので、ここで繰り返します。

1 知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。
㋐判断する。結論を導き出す。「こうするのが正しいと―・える」「解決の方法を―・える」「よく―・えてから返事をする」
㋑予測する。予想する。想像する。「―・えたとおりに事が運ぶ」「―・えられないことが起こる」
㋒意図する。決意する。「留学しようと―・える」「結婚を―・える」

ビジネスの場合には、「判断する」(ジャッジメント)か「想像する」(ソリューション)が大事ですが、きちんとできているか振り返ってみてください。

考えずに行動をしている状態

「考えて仕事しろ」と言われる人の状態として、次に多いのは「考えずに行動している」という状態です。

「逡巡している」人が机で頭を抱えているだけの状態とすると、「行動している」人の方が何かしらの結果を出しているだけ幾分マシかもしれません。言われたことをすぐに何も考えずにしている人がまさに「考えずに行動している」状態の人です。

仕事においては、「考えずに行動しないといけない」場合がありますので、今が「考えて仕事するシチュエーション」なのか「すぐにアクションをすべきシチュエーション」なのか判断をするということがまず最初の「考える」ポイントと言っていいでしょう。

もう少しわかりやすいように例をあげると、何かの仕事を依頼されて報告書が必要だとしましょう。その場合、その仕事は誰がどのような目的で必要としているのかということを考え、報告書は誰が何のために読むのかということを考えてみてください。特に報告書については、「誰がどのような目的で必要としているのか」を理解しているのかどうかで内容が大きく変わってきます。

考えているけども考えが上司、先輩から見て必要な水準に達していないという状態

最後の「考えているけども考えが上司、先輩から見て必要な水準に達していないという状態」は少々やっかいです。自分なりに一所懸命にしているので、ダメ出しをもらってしまうという状況です。

この場合には、「私は〇〇のように考えたのですが、どの点が不足しているのか?」ということを聞くというのがシンプルな対応方法です。ただ、相手との関係でそれが難しい場合には、間接的に周囲の人に相談するという方法もあります。

複数の仕事がある場合には、優先度の判断を問われている場合がある

ここまでの話は一つしか仕事が無い状況での話です。複数の仕事がある場合には、仕事の優先度を誤って「考えて仕事をしろ」と言われることも多くあります。

そして、この優先度というのは、社内の事情、取引先との事情、お客様との事情によって日々変化することが難しい点です。救急事故現場において、患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うことを「トリアージ」と言いますが、仕事においても同じです。

仕事を受ける方に問題があるケースもある

「考えている」「考えていない」という以前に、仕事を受ける際には相手の要求水準を理解できていないという別の問題を持っているケースもあります。

まず、仕事を受ける際に、相手の要求しているレベルを把握することを心掛ける必要があります。例えば、何かの修理をするとして、とりあえずの応急処置を求められているのが、完全に元通りに戻すことを求められているのかによって仕事内容は変わってきます。逆に捉えると、「考えて仕事しろ」と言われます。例えば、応急処置が必要な場面で完全に直すということをすると、「この忙しいのにそんなことに時間を使うな、考えて仕事をしろ」と言われます。逆の場合には、「こんな状態でお客さんに渡せると思っているのか、考えて仕事をしろ」と言われます。仕事の良し悪しではないのです。

「考えて仕事をしろ」と言われた後に次に活かせるかどうかが重要

ここまで、「考えて仕事をしろ」言われる要因についていくつか書いてきました。

一番、大事なことは「考えて仕事をしろ」と言われた後に、なぜ、そのように言われたかと考えるということです。ほとんどの場合、「考えて仕事をしろ」と言う人は、次回に期待をしています。そして、今回の注意によって、次回に改善されることを望んでいます。

その期待を裏切らないように「考える」ようにしましょう。

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