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雇用時の機密・秘密保持契約によって実績を公表・PRできない影響というのは大きい

雇用時の機密・秘密保持契約によって実績を評価できない影響というのは大きい

就職・転職で会社に雇用される際に機密保持契約や秘密保持契約を結ばされることは少なくありません。企業側としては、自社の情報漏洩には過敏になる時代ですので、雇用に当たって秘密保持契約を社員に結ばせることは当然です。ですが、対象となる秘密内容によっては会社を退職後の影響は大きいので注意です。

雇用時の秘密保持契約・機密保持契約の退職後の影響とは?

最近では、雇用時に秘密保持契約・機密保持契約を結ぶことは普通です。ですから雇用時に機密保持契約を結ばせる会社に就職、転職してはいけないとは思いませんし、実際にそのような条件をつけての転職活動をすると業種・職種によっては転職先が無くなります。

余談ですが、秘密保持契約という場合と機密保持契約と呼ぶ場合があります。これはどちらを使っても間違いはありません。しかし、国家機密という言葉があるように機密という表現の方が重たい印象があり、少し大げさでもあります。ですから、この投稿では今後は秘密保持契約という表現で統一します。

そもそも労働者(社員)には秘密保持義務があり、漏洩は犯罪になるケースも

まず、大前提として理解しておかないといけないのは、労働者は、その雇用形態や労働契約書・雇用契約書、秘密保持誓約書に関わらず秘密保持義務があります。

例えば、秘密保持契約を結んでいないからと言って、競合他社に顧客リストを流したり、顧客リストを持っての転職、あるいはその会社独自の製造方法やレシピ等の持ち出しは違法行為となり、場合によっては犯罪となります。

上記のようなケースでは不正競争防止法違反となる可能性があり、民事上の損害賠償の対象となるケースや、場合によっては刑事罰の対象となることもあります。

ですから、秘密保持契約の有無は実はあまり大きな問題ではありません。

結論から言うと実績を出せない形となる秘密保持契約は問題になるケース

私は、10年以上京都になるWEBコンサルティング会社で働いていました。その会社ではそれなりのポジションにいました。

しかし、その会社で何をしていたのかということはこのブログはもちろんあらゆるところで公開はしていません。それは秘密保持契約があるからです。その会社で取り組んでいたプロジェクトは多くの人が知っている内容となります。それを公開できない事情もよくわかっています。

今は起業して数年が経過しましたが、起業当初は自分自身の実績をPRできないということは大変困りました。

秘密保持契約があるがために自分自身のキャリアを言えなくなる

私がここで言えるのは、サラリーマン時代には、年商100億円以上、数十万人の会員がいるECサイトのプロジェクトマネージャー等をしていたということです。(実際にはもう少し分野的なことは言っても問題ないのですが。。)

これだと正直胡散臭いですし(笑)、当時の経験を事例として話をする際にもどうしても抽象的になってしまいます。

秘密保持契約があったがために早く会社を退職した知り合いもいる

特にデザイナーなどの場合には、直近の実績が見られる傾向にありますので、実績を出せないということは非常に厳しいとも聞きます。知り合いのデザイナーは、もう少し会社員として経験を重ねたいが、実績を出せない期間が長期間に渡ることを懸念して早めに退職をしてフリーランスになりました。

つい安易に同意してしまう秘密保持契約の内容には確認が必要

雇用時の秘密保持契約の文言は曖昧なことが多く、どこまでを秘密とするのかが会社によって異なります。秘密保持契約書の細かな文言まで書きませんが、雇用時に交わされる秘密保持契約は一言で言えば、下記のような内容となります。

業務上知りえた当社の秘密を当社の許可なく他社に漏らすことを禁止する

例えば、取引先と秘密保持契約を結ぶことがありますが、その場合には、プロジェクト名や製品名など具体的なことが書かれていることがあります。一時的な取引においては、秘密の対象となることが限定できることが多く、リスクとなることも明確です。

一方で、雇用契約においては、入社から退職後まで長期間に渡っての秘密保持契約となるため、どうしても曖昧な表現となります。そのため、秘密の内容が会社によって捉え方が変わってきます。

入社時点で雇用主から出される秘密保持契約に質問するというのは非常にしにくいのが事実です。しかも、ほとんどの場合、他の契約書などと一緒に機械的に処理されることが多いです。ですが、その会社がどういったことを秘密と捉えているのかはできる限り確認するようにした方が良いと思います。

今のところ、私自身もどうすべきという答えを持っているわけではありませんが、実績を人に言える会社に転職をするに越したことはないと思います。そして、そのことは就業中の満足度にも影響するということも伝えておきます。

取引先も明かせない、実績を人に言えない仕事は満足度も低くなってしまうことも多い

取引先も明かせない秘密保持契約は転職や起業の時に不利だと書きましたが、この契約がある限り、当然、友人・知人・家族にも言ってはいけません。家族ぐらいいいのではないかという人もいますがダメです。もし、秘密をしゃべったことにより、損害が出た場合には責任を問われます。

そうなると、普段から何の仕事をしているかを言えないわけです。大きなプロジェクトを終えても世間に言うことはできません。しかも、取引先の大手の社員の人たちはSNS等で盛り上がっているということを目のあたりにすることになります。こういった状況はどうしても満足度が下がります。

会社で好調に仕事をしている間は問題に感じないが、転職・起業を考えたときに重くのしかかる

とはいえ、このことは会社において順調に仕事をしている間には大きな問題に感じません。会社に不満を感じ出したとき、転職や起業を考えたときに重くのしかかります。

所属している会社で定年まで働くのであれば然したる問題にはなりません。ですので、個々人の仕事やキャリアの考え方によっても捉え方は変わってきます。

ちなみにアメリカのCIAなどはCIAで働いていることすら家族にも明かしてはいけないという話を聞きました。国家レベルの仕事であるということや、(少なくとも就業中は)一生、そこで働こうと思っているのであるからことできることなのかなとも思います。

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