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大手企業、有名企業に就職できても幸せかどうかはわからないけど、ベンチャーだからと言って仕事が覚えれるというのは幻想かも

大手企業、有名企業に就職できても幸せかどうかはわからないけど、ベンチャーだからと言って仕事が覚えれるというのは幻想かも

私の職歴上、大企業で働いたことはありません。一番大きくて150人くらいの会社です。もともと学歴もなく、大学卒業時は就職氷河期でしたので大企業に入社できる余地もなかったことからその反発のようなもので大企業に行ったからと言って幸せかどうかはわからないとよく言うのですが、学生からの相談には迷わずチャンスがあるなら一度は大企業に入るべきと進めています。

大手企業、有名企業=安定ではないし、幸せかもわからないけど

大手に行くとそれで成功というイメージがありますが、大手企業というのは当然、社員数、支社数が多いわけで地方への転勤というのが新入社員の通過儀礼のようなものになっていることが多いです。そこで結果を出せれば本社に戻れるし、競争に負ければ地方のままということも少なくありません。

また、特に大学生の思う大手というのは B to C のいわゆる有名企業であることが多いです。有名企業というのは、一般人に対して知名度があがる製品を作っているということであって、有名大手と言えども競合との競争で負ければすぐに転落の危機が待っています。わかりやすいところではゲーム機メーカーなどは知名度は高いですが、新しいハードの競争で負ければ窮地に立たされます。(今はスマホゲームが主流なのでちょっと古い話かもしれませんが。。)そして会社の業績が悪化した場合にはリストラとなり、これまで会社の歯車として動いてきた人間は転職先がなく困るというイメージを持っている人は少なくありません。

このような意見は私も含めて、学生自体に大企業に相手にされなかった人間のやっかみと言ってもいいかもしれません。いざ、転職ということになった場合にも大企業の職歴があるだけでかなり有利となります。

さまざまな考えかたはあるだろうけど、社会人として最初のキャリアは大企業の方が良い

就職難であってもなくても日本で新卒採用を本格的にしている企業はおよそ1万5千社と言われています。一方で中途採用をしている企業は6~7万社あると言われています。そして、新卒採用をしている1万5千社には中途採用はしていなかったり、していたとしてもかなり専門性のあるキャリアに限られるケースが少なくありません。

では、中途採用をしている企業に対して新卒採用をしている企業数が少ないかと言えば、新卒採用にはそれだけお金と労力というコストがかかるからです。新卒採用にあたっては、採用活動だけでいわゆるナビに掲載をして、学生の対応をする人事スタッフのコスト考えると数千万円が必要となります。(採用人数が少なくても。)また、採用後も一定期間は教育コストが発生します。私が以前いた70名ほどの会社で数名の新卒採用をしていましたが、新卒を採用して稼げるようになるまでには1人あたり3,000万円くらいかかるイメージでした。(大量採用する企業であればかなりコストは薄まるのかもしれませんが。)

少なくともそれだけのお金をかける体力があり、数年かけて新卒を育成して戦力化するというビジョンがあるということになります。

そして何よりも新卒採用をしている多くの企業では新卒を育成するための教育をきちんとします。

ちなみに私は最初のキャリアから中小企業でしたので大企業でするような新卒研修のようなものは受けたことがありません。初日に「社会人のマナー」という冊子を読んで午後には飛込営業していました。私の例は極端に思うかもしれませんが、中小企業では教育方法が確立されていないので、実践の中で鍛えるというのは少なくないと思います。

そのような経験から20代後半のころには知っておくべきマナーなどを知らないなどで苦労した経験があります。その点から教育をきちんとしている会社に入るというのは将来的に差がでると感じます。

同じ年収でも実際の待遇には大きな差がある/中小企業と大企業では同じ年収でも100万円くらい差がありそう

また、待遇という面でも単純に年収で比べてはいけません。年収上は同じでも中小企業と大企業では100万円くらい差がありそうなイメージがあります。単純なお金の話ではさまざまな手当ての差があり、お金以外でも休暇制度や福利厚生などで差が出ます。最近では、災害が多いですが、家族に対してお見舞い金を出してくれる企業もあります。

大企業の方が多くの世界を見れる可能性が高く、転職するにも視野が広がる

将来、転職を考える場合にも大企業の方が多くの世界を見れている可能性が高いです。前回の記事でも書きましたが、学生が知っている有名企業・大企業は誰もが知っている企業です。でも、世の中にも多くの人に知られていない企業の方がはるかに多いです。大企業の方が、さまざまな事業に取り組んでおり、自分自身が担当しなくても同期、同僚、先輩、後輩などを通してさまざまな世界の話に接することができます。転職にあたっては就職とは違い大きな視野を持って考えることができます。

ベンチャー企業に入ってさまざまな仕事を覚えたいと思っている学生は要注意

大企業に入っても歯車の一つになるだけだから、ベンチャー企業に入ってさまざまな仕事を覚えたいという学生の声をたまに聞きますが、この考えは要注意です。

確かにベンチャー企業や中小企業は事業が成長過程であったり、制度が整備されていないという理由からさまざまな仕事をしないといけません。私も入社時に5人で退職時には80人ほどになった会社で幹部をしていましたので実体験をしています。ですが、さまざまな仕事と言っても、学生が思うようなさまざまな仕事ができるわけではありません。

ベンチャーに入ってさまざまな仕事をしたいという裏側には決まった仕事をルーチンでするのではなく、事業の仕組みを考えたり、事業成長のために必要な企画などをしていきたいという思いがあるのだと思います。ですが、ベンチャーに入ってできるさまざまな仕事というのはもっと些末なことです。私の経験でいえば、前職で5人の時には電話番やお茶くみ、コピー取りなどをしないといけませんでした。会社においてはさまざまな雑用があるのでそれを誰かがしないといけません。そういう意味ではさまざまな仕事をしたのですが、学生がベンチャーに入ってやりたいと思っているさまざまな仕事とは違うのではないでしょうか。

逆に大企業で歯車になるという表現がありますが、自分の職務に集中できると言っても良いと思います。サポートをしてくれる部隊がいるので不要な雑用はしなくてよいということです。

新卒でしか入社できない大企業は多いけど、新卒でしか入社できないベンチャー、中小企業は少ない

そして何よりもすでに書いたように新卒でしか入れない大企業は多いです。ですが、新卒でしか入れないベンチャーや中小企業は少ないです。現在、日本の新卒採用に対する考え方を変えていこうという風潮ですが、急激に変わることはないと思います。ですので、人生唯一の新卒採用というチャンスを学生には活かしてもらいたいと思います。

でも、新卒採用に失敗したからと言ってあきらめるのもまた間違い

このように書くと、結局新卒時に失敗したら終わりじゃないかと思う人もいるかもしれません。そうではないです。これからの若い人は50年くらいは働かないといけないと思います。そのスタート時点でちょっと有利か不利かという話です。

挽回をしようと思えば、そのチャンスはいくらでもあります。ただ、スタートが不利になった分、どこかでその不利を埋める努力か運が必要だと思います。

また、挽回というのもどういう状態が挽回できたと言えるのかは私にもよくわかりません。大企業に入ろうが零細企業に入ろうが、50年間同じ企業に勤めあげて定年を迎えてのんびりとした定年を迎えるというかつての人生観というのはもうありません。そういう意味では、やりたいこと、目標を自分自身できちんと持つということが一番大切に思います。

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