かつてオフィスビルと言えば、写真のように夜中まで煌々と電気がついていました。個人的には、20年近く前に過労死自殺のあった電通と取引をしていたことがありますが、深夜の2時や3時に資料を取りに行ったことがありますが、その時間でもたくさんの人が働いていました。
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働き方改革=残業減らしではない
働き方改革=残業減らしと捉えている人が周囲にいますが、決してそうではありません。最近では、円通の過労死自殺もあり、残業に関する規制が強く報道されますが、そもそも働き方改革にあたることは終身雇用制度の崩壊とともに実施しなければいけなかったのではないかと個人的には思います。
終身雇用制度があるからこそ、会社に忠誠を誓い、自分の時間を犠牲にできた
残業というのは、社員にとっての時間の切り売りです。場合によっては、切り売りすらでない身を切っているだけのサービス残業というものもあります。では、なぜ、身を切れたかというと終身雇用だったからです。生涯にわたって自分や家族の生活を支えてくれるという前提のもとに身を切ることができました。
では、終身雇用ではないとすれば、個人に求められるのは会社に頼らなくても稼げる力を身につけることです。残業が減ったと喜んでいてはいけないのです。(中には残業代を生活費として充てにしていたので喜んでいれない人もいるといると思いますが。。。)
残業減少によって生まれた時間を個々人が稼ぐ力を身につけるか、実際に稼がないといけない
つまり、残業が減少したことによって生まれた時間を個々人が稼ぐ力を身につけるか、実際に稼ぎ始めないといけないということです。
残業減少によって、家族との時間を増やしたり、趣味や余暇の時間として使うことはもちろん有意義だと思います。今の会社が倒産しても転職や起業ができるスキルや収入が減っても大丈夫な状況であるのであれば、そうすべきだとも思います。
ですが、もし、将来に不安を感じるのであれば、その不安を払拭する取り組みにあてる時間にすべきではないかと思います。
実際にコワーキングスペースや自習室が急増している
そして実際に、コワーキングスペースや自習室が急増しています。自習室については参考になるデータを持っていませんが、コワーキングスペースは、日本で初めて開設されたのが2010年です。7年足らずに750以上のコワーキングスペースがあると言われています。
私が運営しているコワーキングスペースのポータルサイト「コワーキング ジャパン」は2015年8月に開設しました。当時の掲載数が200件ちょっとでした。調べるだけ調べて200でした。漏れもありましたが、多くみても300件はなかったと思います。
それが、現在は750件の掲載です。実際にそれくらいコワーキングスペースが増えています。この増加数がが大手のチェーン店であればあまり驚きません。スターバックスの1号店のオープンが1996年です。20年足らずで街中にカフェがあふれ、昔ながらの喫茶店は壊滅しました。カフェはチェーン店が多いので急拡大もうなづけます。
一方で、コワーキングスペースは、そのほとんどが単独店です。チェーン展開(と言っていいかわかりませんが。)していると言っても数店舗のケースがほとんどです。つまり、600近い人がオーナーとしてコワーキングスペースの必要性と将来性を感じて身銭を切って開設、運営しているということです。
では、なぜコワーキングスペースが増えているのかというと、IT技術の進歩という側面が強いですが、それよりも個人で仕事をする人や勉強場所を求めている人が増えたということではないかと思います。
会社帰りに勉強したり、副業をする人が増えている
働き方改革で残業が減る以前から、会社帰りに勉強をする人や、副業をする人が増えているように感じます。これも、ある面、IT技術の進歩によって、個人が個人のスキルによってお金を稼ぐことができるよになったとも言えます。20年前であれば、身一つで個人で稼ぐというのはなかなか難しく、起業、独立と言えば、お店をしたり、代理店としての営業会社やフランチャイズなどが主流でした。
今では、ノートパソコン一つでお金を稼ぐことができる人がたくさんいます。働き方改革の取り組みの一つとして、副業、兼業の普及というものがあります。これまで、正社員であれば、副業、兼業というのはご法度でした。それを普及させていこうというのです。これももちろん終身雇用が崩壊したからこそと言えるでしょう。
これまでは、会社が一生を保証するから会社の言うことを聞いておけということが通じましたが、そういう時代ではなくなったというわけです。
一方で、テレワーク等の推進によりオフィスビルが空きつつあるという背景もある
コワーキングスペース増加の背景として、テレワークの推進などにより、企業が大きなオフィスを持たなくなりました。ヤフーのように個人デスクは無くし、フリーアドレスにしている会社や、社員数よりもデスクの数が少ないという会社も増えてきました。
結果的に、オフィスビルの借り手が減ることになっています。そこでオフィスビルなどを運営している不動産会社が空きスペースをコワーキングスペースやシェアオフィスにするということも増えています。