先日、家族がとあるトラブルを抱えていたので、その相手先企業との話し合いに同席をしました。詳しくは書けませんが、こちらから「今後、問題ないですか?」という質問に対して、相手先企業は「絶対に大丈夫です」と言い切りました。こんな信用できない返答があるのかと驚き、会社としてきちんとした返答をするように伝えて出直しさせることにしたのですが、「絶対」という言葉は安易に使ってはいけないと常々思います。
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「絶対」という言葉を簡単に使う人間はまず信用されない
かつて、とある人に世の中に「絶対」があるとしたら、「生まれた以上死ぬということだ」と言われた記憶があります。誰から聞いたかも忘れましたが、妙に頭の中に残っています。
「絶対」という言葉の意味は、国語辞典的には、「他に比較するものや対立するものがないこと。また、そのさま。」とあるのですが、会話の中で使うケースでは、副詞として「決して」とか「必ず」という意味で使われることが多いです。
軽い場面で使う分にはあまり問題ない
『「絶対」という言葉を簡単に使う人間はまず信用されない』と書きましたが、軽い場面で使う場合にはあまり問題ありません。
例えば、友人同士の遊びの約束で「明日来てね」からの「うん。絶対行くよ」という会話であれば問題ないです。
多くは、トラブル場面での返しで使われるケースが多い
印象に残っているだけなのかもしれませんが、「絶対」という言葉はトラブル時に使われるケースが多い気がします。
シンプルな例では、遅刻が多い人に「明日は遅刻するなよ」と言った時の返しが「絶対、大丈夫です!」という感じです。
すでに一度トラブルを起こしているのに関わらず、次回に対して「絶対、大丈夫」と言い切る根拠のない勢いだけの人間はまずもって信用されません。
「絶対する」と言ったことができなかったケースは一気に信用を無くす。そして、多くの場合にはできないことが多い
すでに上げた例のように明日は遅刻するなと叱責に対して、「絶対する」という返答をしたうえで、その約束を守れなかった場合には相手の信用を一気に無くします。
それほど「絶対」という言葉は、発した人よりも受け手が受ける印象が強いということです。しかも、多くの場合には、その約束は守られることがないというのも「絶対」という言葉を発する人が物事を軽く考えているからこそです。
ビジネス場面だけでなく、友達関係や恋人関係においても同様
これは、ビジネス場面だけに限ったことではありません。友達関係や恋人関係においても同様です。「絶対する」と言った約束は『絶対』に守らないといけません。「絶対」という言葉を軽々しく使う人がいる一方で、軽々しく使わない人は、守れなければ、昔であれば切腹しているぐらいの覚悟がいる言葉だと認識しています。それほど重い言葉です。
トラブル時に自分自身が「絶対」に大丈夫だと思って、「絶対」は飲み込んで対策を伝えなければいけない
誰にも取引先や上司に大目玉をくらうようなミスをすることはあります。そして、「次は大丈夫か?」と聞かれたときに「絶対、大丈夫」と思っていても、「絶対、大丈夫」と答えたくなるのですが、それは飲み込んで対策を伝えないといけません。
トラブルを起こしたときには、相手は気合いによる解決のようなものを求めていません。誠意のある考えた結果を知りたいのです。
その対策ですべてを防げる必要もないと思います。例えば、個人的な体験で言うと、20年ほど前にメールの配信ミスで大きなトラブルを起こしたことがありました。システム的には対策したので同じ現象が起きないことは「絶対」だと思ったのですが、「絶対、大丈夫」ではお客さまは納得いただけると思いませんでした。そこで、数か月にわたって、配信後のメールをすべてチェックするという対策を提示し、実際に実行しました。配信後なのである意味トラブルを防ぐことはできませんが、一度、起こしたトラブルに対して、大変なチェックを続けるということで相手の信頼を取り戻しました。(取り戻すというよりはマイナスがゼロになるくらいですが。。)
ほとんどの場合、トラブルを起こした場合には、相手方には大きな被害や負担が出ています。相手の心情的にも同様の負担と思われる対応をしないといけないという側面もあります。
また、「絶対に大丈夫」と伝えて、もし、同じトラブルを起こした場合には、対応のしようがありません。ですから、なおのこと「絶対、大丈夫」という言葉は飲み込まないといけません。