今日、議員立法で平成31年、32年にサマータイム導入とのニュースが流れ、話題になりつつありますが、個人的にはサマータイムの導入には反対です。特に東京五輪の酷暑対策ということですが、準備期間が短すぎて大混乱間違いなしですし、東京五輪対策だけであれば、もっと別の方法がありそうです。
サマータイム導入というのはあらゆるシステムの書き換えにつながるのでそれほど簡単なことではない
まず、最初に断っておくとサマータイムについては正直あまり詳しくないです。ですが、すごく気になったので少し調べました。
サマータイムの導入のメリットとは
サマータイム導入のメリットとしては以下のようなものがあげられています。
- 涼しい時間から仕事を始めることができる/電力消費を減らすことができる
- 明るい時間に仕事が終わるので仕事後の経済活動が活発になり、経済効果が見込める
- 明るい時間が長いと健康的になれる
- 明るい時間が長くなるので事故や犯罪が減る
- サマータイム対応の家電などが売れ、経済効果が見込める
本当に上記のようなメリットってあるのかな
正直、個人的には眉唾なメリットだと思っています。涼しい時間から仕事を始めるというのは確かに電力消費を減らすことにはつながりそうです。
ですが、サマータイム導入するためには、さまざまな製品のリプレイスとかが必要となります。となると既存の使える製品を捨てることとなります。経済効果としては見込めるかもしれませんが、省エネ的観点からは反対な結果になるのではないかと思います。
そもそも1日24時間という時間が伸びたり縮んだりするわけではありませんので、電力消費以外のメリットというのは限られてくると思ううえ、もし、アフターファイブが活況になるのであれば、サービス業の人にとっては労働時間が増える圧力が強くなりそうです。
時間は変わらないから混乱は起きないという人はシステムが世界標準時間ベースなことを知ってますか
さまざまな時間を書き換えないといけないから大変という声に対して、サマータイム推進派の人は、2時間のサマータイムを導入するというのは、7時が5時になるわけではなく、7時は7時のままなので、時刻表などの書き換えが発生するわけではないという話をします。(少々わかりにくい表現ですいません。。。)
ですが、世の中のシステムってほとんど世界標準時間をベースにして計算をしています。下記はWindowsの日付と時刻の設定画面ですが、(UTC+09:00)というのは世界標準時間をベースに+9時間をしているということです。つまり、世界標準時間をベースにしている以上、ここを変更しないといけないということになります。これは、パソコンだけでなく、スマホはもちろん世の中の多くのシステムがこのようになっているので、OSレベルでアップデートが必要となる可能性が高いです。
そもそも、このレベルのシステムの書き換えって1年足らずでできることではありません。日付や時間はシステムの根幹に関わるので大変な工数がかかります。余談ですが、かつてハッピーマンデー制度ができたときにこれまで固定だった祝日が可変になるということで結構大変だった記憶があります。
このあたりは現在は大規模システムに携わらなくなったので、真剣に考えたわけではないですが、これまでサマータイムという概念がなかった日本でこれだけIT技術が浸透してからサマータイムという概念を導入するのは一筋縄でいかないことだけは確実です。
そもそも人間側の認識のずれを一致させる方が難しそう
時間についてはシステム面が話題になりますが、人間側の認識のずれの方が大きそうな気もしています。サマータイムって時計の針をずらすだけというのですが、これってシンプルなようでどうなるのかよくわかりませんよね。2時間ずらした場合、初日が22時間になって、最終日が26時間になるのかな?
サマータイム導入されたら早起きができないという話に対して、そもそも7時は7時で7時が5時になるわけではないから、早起きが心配という人はその心配はしなくて良いというけどだけどその7時は世界標準時間から+9時間の7時が+7時間の7時に変わるわけで。。。と時間というのは生活というか思考のベースになっている部分が大きいので、人間側の認識のずれがいたるところで起きそうです。
例えば、サマータイム導入前にしていた約束時間はサマータイムに合わせてずらすのかずらさないのかみたいなことを個別に確認したり、勘違いしてトラブったりということが各所で起きそうです。
世界70か国が導入というが、ほとんどが欧米で熱帯地域では導入されていない
酷暑対策にはサマータイムは有効ではないのではないか
世界70か国が導入というので少し調べたところ、Wikipediaに世界各国のサマータイムの導入状況がありました。
上記ページに世界地図があるので見ていただくとおわかりいただけると思いますが、サマータイムを導入しているのは欧米が中心です。特に緯度が高い地域が中心となっています。緯度が高いと日照時間が夏と冬で大きく変わるのでメリットが大きいと聞きます。
世界で多くの国が実施しているから導入すべきという意見の人は、上記の「過去に夏時間を実施したが現在は行っていない国・地域」も多くあることにも注目してもらいたいです。これらの国がなぜサマータイムを廃止したのかまでは調べていませんが、酷暑対策として有効であろう日本と同等もしくは日本より赤道に近い緯度の地域の多くではサマータイムが導入されていないということを注目すべきだと思います。
そもそも世界では・・という論調はすごく嫌いです。日本以外の国の制度について詳しく知っている人って限られてます。何かを導入するときにはプラスの事例、マイナスの事例が必要ですが、この論調のときには自論にプラスの材料しか出さないうえ、マイナスの事例を出せる人があまりいないという形になるからです。
しかも2年間の限定施行というのはものすごく愚策
オリンピックの酷暑対策ならもっと運用回避ができそう
しかも、今回の制度導入は2年間の限定施行を模索しているらしいです。これってものすごく愚策です。システム変更や機器のリプレイスをしてもそのコストに見合わない期間しか利用されないということになります。これってものすごく愚策に思います。
そもそもオリンピック対策であればもっと運用回避ができそうです。マラソンのスタート時間を早めたいならそれこそ5時スタートにして、運用回避したらよいと思います。例えば、公共交通機関であれば、年末年始の終日運行のような形で回避できないものでしょうか。
また、酷暑がきつい会社、人は個別調整をしていけばよいと思います。余談ですが、うちはお寺なのでこの時期は忙しいのですが、近隣寺院ではこれまで午後に実施していた行事を来年から午前中に実施すべく動き出しているところもあります。このように個別に調整をしていくというのも大切だと思います。
電力消費を減らすためには分散するように助成金や補助金もありだと思う
本当に電力消費を減らしたいのであれば、電力消費はピーク時間が問題です。24時間の電力消費が一定であればあるほど無駄がなくなります。
であれば、就業時間を変更する等の施策を取り入れた企業に対して助成金や補助金を投入とういうのどうなのでしょうか。特に電力消費が大きそうな工場などでピーク時間の操業が少なくなれば電力的にはプラスだと思います。(すでに導入されてたりしそうですが。。)