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コラム

スマートロック導入検討QrioとAkerunは用途、目的別で選び方が変わってくる

スマートロック導入検討QrioとAkerunは用途、目的別のオススメ機種

スマートロックの導入を検討している家庭、会社、事業者が増えています。スマートロックとは従来の物理的な鍵ではなく、スマートフォンなどの機器を用いて開錠、施錠や管理をできる鍵のことです。

国内メーカーが販売している主要なスマートロックとして「Qrio」と「Akerun」があります。それぞれに機能、価格に特長があり、利用目的、用途によって導入すべきスマートロックが決まってきます。以前にUmidassのブログで両メーカーの比較記事を書きましたが、「Qrio」には外出先からも操作ができる「Qrio Hub」が発売され、「Akerun」は「Akerun Pro」が発売されましたので、あらためて比較検証をしてみたいと思います。

▼以前の記事はこちら

目次

スマートロックとは?導入のメリットは?

まず、最初にスマートロックとは何か?その導入のメリットについて簡単に説明をしておきます。

冒頭に書いたようにスマートロックは従来の物理的な鍵ではなく、スマートフォンなどの機器を用いて鍵の開錠、施錠をできる鍵のことです。

鍵自体は従来のサムターン錠を利用し、サムターンを動作させるのがスマートロックの主流

スマートロックと言っても鍵そのものは従来のサムターン錠を利用します。サムターン錠というのは下記のようなよく見る鍵です。スマートロックはこの鍵に被せるように設置をし、スマートロックがこの鍵のつまみを回すことによって開閉するものが主流です。

サムターン錠

スマートロックは従来の鍵管理システムに比べると10分の1以下で導入できる

以前は鍵管理システムというと大掛かりなものが多く、私が運営しているコワーキングスペースUmidassでも開業時に数社の見積もりを取りましたが、数十万円以上というのがほとんどだったため、導入を見送っていましたが、スマートロックによって導入費用が10分の1以下になったため、鍵管理システムを導入することができました。

詳細な金額は後述しますが、数万円程度で導入することが可能です。また、サムターン錠に被せるタイプのため、工事は不要で誰でも取り付けることができます。

そのため、小規模な事業者やご家庭でも導入できるようになりました。

合鍵の発行が簡単、合鍵の回収が必要ない

合鍵の発行が簡単になりました。これまでのように合鍵を作ってもらう必要はなく、スマートフォンやパソコン上の操作で合鍵を発行できます。また、大きなメリットとしては、発行した合鍵の権限をオーナー側で削除することができます。ですから、合鍵の回収などが必要ありません。

ですから、レンタルスペースや民泊などでも安心して鍵を発行することができます。

 

スマートロック導入検討QrioとAkerunどちらを選ぶべきか

まず、Umidassでは、「Qrio」を導入しています。価格、機能などから検討した結果、Umidassでは、「Qrio」一択という結果がでました。その点について簡単におさらいをしておきます。興味の無い方はこの項は飛ばしてもらったらよいかと思いますが、ご参考までに。

コワーキングスペースUmidassでQrioを導入している理由

UmidassでQrioを導入しているのは、Umidassの求めている要件から「Qrio」の方が適しているという結果が出たためです。

コワーキングスペースUmidassの導入要件

Umidassの導入要件として以下のようなものがあります。それぞれの要件に対して、ほぼ全面的に「Qrio」が優勢という結果でした。

10時~22時は開錠状態で22時~10時まではオートロック状態にしたい

Umidassは、基本的にスタッフ常駐型のコワーキングスペースなのでスタッフがいる間は常に開錠状態にしておきビジター利用を受け入れたい。一方で、早朝や深夜は一部の会員の方にスマートキーで開錠して利用して利用してもらいたいと考えていました。そのためには、スタッフのいる10時~22時の間は鍵を無効にして開錠状態にしておき、それ以外の時間帯は会員の方が開錠したあとに施錠されるオートロック状態にしたい。

⇒「Qrio」「Akerun」ともにオートロック機能はあり、「Qrio」が開錠後○秒で施錠というオートロックに対し、「Akerun」は扉の開閉を感知するオートロックのため、機能的には「Akerun」の方が優れていた。しかし、「Qrio」「Akerun」ともにオーナー権限のある人しか設定ができないのだが、「Akerun」はオーナー権限を付与できるのが1台のスマホだけに対して、「Qrio」は複数台にオーナー権限を付与できるという違いがあり、「Akerun」だとオーナー権限のあるスマホの受け渡しを発生させないといけないため、運用が難しいことがわかった。(WEBから操作できればよいのだがその点は後述)

会員の方やレンタルスペース利用者の方に発行しやすい

会員の方やレンタルスペース利用の方にスマートキーを発行しやすい状態を希望していました。発行しやすいというのは発行数に制限がないことやUmidassのスタッフが発行しやすい環境ということです。

⇒「Qrio」は無制限に鍵を発行することができるのに対して、「Akerun」は10個以上の鍵の発行は有料4,000円/月が必要だった。

子供が出入りするので誤作動がしないようにしたい

Umidassには公文式やそろばんなどで子供が出入りします。そのため、子供の不注意などでの気づかないうちの動作やいたずらでの誤作動しない方が望ましい。

⇒「Akerun」は、ボタンを押すと開錠、施錠するという機能があり、会社などで利用する場合にはワンタッチで操作できるのが便利な機能だが、子供たちが鍵に体が当たった際などに動作してしまう可能性があった。

WEBを使って遠隔から操作したい

開錠、施錠、オートロック設定などを遠隔から操作できればオーナーである私が外出中でも管理ができるので望ましい。

⇒「Qrio」は遠隔操作ができず、「Akerun」には、「Akerunリモート」という遠隔操作できる製品があったが、「Akerun リモート」は月額9,500円(税別)だったため、導入を見送り。(前述のオーナー権限を複数に発行できる「Qrio」では必要性が薄かった)

価格的には安いに越したことはない/できれば月額料金は避けたい

予算は明確に決めていたわけではありませんが、安いにこしたことはありません。かつ、できれば月額料金は避けたいと思っていました。月額料金になると会員の方に鍵発行にかかる費用を負担いただく必要があり、鍵を発行している会員の方と不要な方でも差が出てしまうので煩雑になるためです。

⇒「Qrio」は購入に18,000円(税別)となり、その後の費用はなし、「Akerun」は、購入に36,000円(税別)となり、前述のとおり鍵を10個以上発行する場合には月額費用が発生する。

以上が、Umidassの導入要件と導入時の検証結果です。では、現状ではどうなっているのかということを見ていきます。

「Qrio」は「Qrio Hub」が発売され、「Akerun」は「Akerun Pro」が発売された

前回の記事を書いたのが2016年5月でした。それから1年半が経過しましたが、「Qrio」は「Qrio Hub」が発売され、「Akerun」は「Akerun Pro」が発売されました。どのように変わったのかを見ていきます。

遠隔操作できる「Qrio Hub」はUmidassでも導入。「Qrio」ユーザーは導入がオススメ

Qrio Hub

「Qrio Hub」は、「Qrio」を遠隔操作できるようになる装置で、8,800円(税別)で購入できます。これまで、「Qrio」は「Bluetooth(ブルートゥース)」で接続して操作をする必要がありました。そのため、相当に鍵に近づいて操作しないといけませんでした。また、近くにいないといけないということからトラブル時などに操作ができませんでした。それが遠隔地からも操作ができるようになりました。「Qrio」に対する操作はすべて遠隔でできるので、開錠、施錠はもちろんのこと、オートロックの設定なども遠隔ですることができます。

また、何よりAndroid端末の場合、機種によっては接続が不安定という問題がありました。「Qrio Hub」を導入することでWEB経由での接続となり、接続の不安定さも解消されました。

注意点としては、「Qrio Hub」を利用できるのはオーナー権限のあるスマホのみです。(と言ってもオーナー権限の無い人は遠隔操作の必要はないと思いますが。。。)

「Qrio」は鍵管理システム「カギカン」4,980円(税抜)もリリース

「Qrio」はこれまでスマートフォンでの操作しかできませんでしたが、パソコンで鍵を管理できる「カギカン」というサービスもリリースされました。

パソコンから鍵の発行や、鍵の操作ができ、入退室履歴も見れるサービスです。

「Akerun」は「Akerun PRO」が発売された

akerun PRO

「Akerun」には「Akerun PRO」が発売されました。オフィスに最適なスマートロックとして「Akerun PRO」が発売されたのですが、旧来の「Akerun」は公式ホームページから案内が無くなっていましたので、メジャーバージョンアップのような形のようです。では、その違いはというと。反応速度が良くなった等の機械的なバージョンアップもされていますが、導入検討にあたって大きな違いとしては以下の3点です。

内容からみると、ターゲットを企業ユーザーにシフトさせたようです。

  • 写真のとおり、横幅がかなりスリムになりましたので、設置できる鍵が多くなった
  • NFC Readerを用いる事により、NFCカード(Suica,PASMO等)での施錠・解錠が可能になった
  • 料金体系が初期費用0円、月額9,500円となった

「Qrio」と「Akerun」の比較

スマートロックの検討比較表です。

この点以外の比較ポイントとして大きなことは設置可能かどうかということがあります。設置予定の鍵の形状によって変わってきますので、そちらは個別に確認していただく必要があります。
また、サポート体制は必ず月額費用の必要な「Akerun」の方が24時間サポートが用意されています。

Qrio Akerun
導入コスト 本体:18,000円(税別)
Qrio Hub:8,800円(税別)
無料
月額費用 なし
鍵管理システム「カギカン」は、月額4,980円
9,500円~
 発行可能な鍵数 無制限 無制限だが発行数によって課金
(要見積もり)
 オートロック できる
ON/OFFは手動で設定する必要
できる
時間帯で設定可能
 NFC施解錠  できない できる
 パソコンからの操作 カギカン利用時は可能 可能

「Qrio」と「Akerun」のどちらを選ぶかは要件によって変わってくる

最終的に「Qrio」と「Akerun」のどちらが良いかということの結論は、利用する目的によって変わってきます。

私の運営するコワーキングスペースUmidassと同じ要件であれば、「Qrio」をオススメしますが、要件によると思いますが、個人的には以下のように思います。

  • 基本的に大規模な事業では「Akerun」、小規模なら「Qrio」
    ⇒まず、単純に「Akerun」の方が月額費用も発生することからコストもかかります。一方で、その分、高機能ともいえますので、大規模な事業体であれば、「Akerun」で小規模なら「Qrio」と言えます。
  • 決まった人しか利用しないのであれば、「Qrio」
    ⇒大規模であっても社員など決まった人しか利用しないのであれば「Qrio」で十分だと思います。
  • スタッフ常駐型なら「Qrio」、遠隔操作型なら「Akerun」
    ⇒Umidassのようなコワーキングスペースや有料自習室、レンタルスペースのような施設の場合、スタッフ常駐型なら「Qrio」で、遠隔操作するなら「Akerun」の方が良いと思いますが、レンタルスペースでも部屋数が少なければ、「Qrio Hub」で対応できることも多いと思います。
  • 個人宅なら「Qrio」一択
    ⇒個人宅で導入するのでれば、価格的にも機能的にも「Qrio」一択だと思います。

「Qrio」と「Akerun」の購入方法

「Qrio」はAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングで購入可能

「Qrio」は、公式サイトで購入できるのですが、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングで購入可能です。もちろん、「Qrio hub」とのセット購入も可能です。下記リンクから購入可能です。

公式サイトで購入しても各モールで購入しても価格は変わらず、サポート等も変わりありませんので、ご自身が普段使っているモールで購入した方がポイント等がお得です。

Qrio単体購入
Qrio hub とのセットで購入

>>「Qrio」公式サイトはこちらから

「Akerun」は公式サイトからの見積もり、問い合わせが必要

「Akerun」は公式サイトからの見積もり、問い合わせが必要となります。

公式サイトはこちらから

>>「Akerun」公式サイトはこちら

最後にスマートロック導入の参考情報や注意点

最後にスマートロック導入にあたっての参考情報や注意点です。

現在の鍵に設置が難しければ、鍵の増設は数万円、増設した方がセキュリティ的にも使い勝手が良いかも

UmidassのQrio

こちらはUmidassの鍵の様子です。上部に「Qrio」が設置されているのがわかると思いますが、下部にもサムターン錠があります。元からあったのは下の鍵で、「Qrio」のついている鍵は増設しました。なぜかというと、下の鍵は位置が悪く「Qrio」や「Akerun」の設置が難しかったということと、無理やりつけたとしても場所が悪く蹴られたりする可能性があったためです。

サムターン錠の増設自体は鍵屋さんにお願いすれば、2~3万円ですので、現在のサムターン錠への設置が難しければ増設するというのも一つの手です。

また、結果的にお正月など会員さんでも利用不可の日には下の鍵を掛けておくことで「Qrio」では開錠できなくなるので、細かく設定したりしなくて良いというセキュリティ的なメリットになりました。

万が一のための鍵の保管場所を決めておく必要がある

スマートロックが何らかの理由で故障した場合などには、もともとのサムターン錠の鍵で開閉することができます。万が一に備えて物理的な鍵を取り出せるようにしておく方法を考えておいた方がよいです。

ちなみに「Qrio」を1年半利用してきて、まだ、そのような事態になったことはありません。Umidassでは、隣に私の実家があるのでそちらに鍵を保管していますが、そういった環境になければ、万が一の場合の対策は用意しておいた方が良いと思います。

スマートロックは参入企業が増えているので何かの機能が不足していると思えば新しい機器を探すのも一つの手。無人運営なら暗証番号方式のスマートロック[RemoteLOCK]なども選択肢の一つ

今回は、QrioとAkerunの比較記事となりますが、スマートロックは参入企業が増えています。もし、QrioでもAkerunでも備わってないと思う機能があれば新しい機器を探すのも一つの手です。

例えば、無人運営をしているレンタルスペースや民泊の場合、始めての利用者にQrioやAkerunのアプリをインストール、設定させるというのはハードルがあります。また、古いスマートフォンではうまく通信ができないケースもあります。そういった場合には暗証番号方式のスマートロック[RemoteLOCK]であれば、番号を伝えるだけで良いのでトラブルが少ないかもしれません。[RemoteLOCK]については、私自身は利用したことがないので詳しいことは書けませんが、もし、使ってみたことのある方がおられたらコメント投稿などをいただけるとありがたいです。

▼[RemoteLOCK]の公式サイトは下記バナーから

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