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正社員は安定というのは幻想であるわけ-たった30年の歴史

正社員になれないから安定しない、安心できないということがよく言われますが、そもそも正社員が安定というのは本当なのかという話を昨日に人と話をしたので、その話を少しまとめてみました。

正社員が安定というが、70年も歴史のない幻想的な仕組みでは?

正社員が安定という表現には常々疑問をもっていました。私は雇用問題等の専門家でもないので間違っている点や浅はかな点もあるかと思いますが、そもそも論として1945年に終戦を迎え、今、戦後70年少し経過したわけですが、正社員が安定と思う仕組みはこの70年間の間に作られたことだと思っています。

つまり団塊世代ぐらいしかその仕組みを全うした人がいない仕組みとも言えます。

もちろん戦前においても会社はあったわけでその中でも同様の仕組みはあったかもしれません。またもっと遡れば江戸時代の武士はそうだったという理屈もあるのですが、現在のように広く一般の人が対象となる仕組みとしては戦後70年の間に作られた仕組みと言えるのではないでしょうか。

そんなことを思って、検索をしていると「正社員の意味と起源」という資料を発見しました。

▼▼▼
http://www.murc.jp/english/think_tank/quarterly_journal/qj1002_02.pdf

三菱UFJリサーチ&コンサルティングのシンクタンクの資料のようです。私なんかよりも専門家が書いているので正確に詳しい情報から考えたい人はこのような資料を参考にするとよいでしょう。

「正社員」という単語が使われるようになったのは1980年代から

前述の資料によるとそもそも「正社員」という単語が使われるようになったのは、1980年代にパートタイマーの対比後として使われるようになったということです。

つまり30年ぐらいしか使われていない単語というわけです。そもそも「正社員」って何なのかはわかるようでわからない概念です。

正社員の特長って何だろうと思ってWikipediaで調べてみると大したことはなく、以下の2点です。

終身雇用と年功序列の処遇が正社員の雇用の特長。でも、これって・・・

正社員の特長は、「期間の定めのない雇用(正社員)」と「年功序列を基本とした処遇」とあります。

でも、これってほぼ崩壊してます。それは経営側が悪いとか、政治が悪いとかではなく、もっと上位の概念で崩壊していると思います。

そもそも企業寿命が定年まで働けるほど長くない

「終身雇用が崩壊した」ということを経営側の問題のように言うことが多いですが、そもそも企業寿命がそんなに長くありません。大卒で入社して定年まで働くということは40年~45年くらいあるのですが、そんなに企業寿命が長くないのです。

企業寿命について調べてみてもいつもよくわからないのですが・・・昔はよく企業寿命30年と言われていました。30年でも新卒で入社したら定年までいれません。

同じ2014年の記事ですが・・東京商工リサーチによると2014年の倒産企業の平均寿命は23.5年というデータがあり、また、日経ビジネスには「【会社の寿命】今や"寿命"はわずか5年」という記事もあります。

日経ビジネスオンライン
 
【会社の寿命】今や
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090212/185916/
長引く不況の中、企業の多くがもがき苦しんでいる。低迷状況から復活するにはどうしたらいいのか。復活の条件を探る上で大事なポイントは、会社の寿命が短くなっている点だ。こうした短寿命時代に、企業はどう復活を遂げ、企業を存続させていくのか。今回、バブル崩...

また、新卒採用というのはすごくパワーがかかります。私の前職の会社でも新卒採用をし始めたのは5,6年目でした。新卒で入社した時点で残り寿命はかなり短くなっている可能性もあります。

業界にもよりますが、これだけ時代のスピードが早いと社会の変化に対応することが難しいということだと思います。

終身雇用が無ければ年功序列の評価制度は機能しない

そして、終身雇用がなければ、年功序列の評価制度は当然のことながら機能しません。

一生、その会社が雇用してくれると思うからこそ実力に関係なく年功序列で決まることを許容できるのであって、そうでなければ年功序列の評価制度は働く側としては許容することができません。

そもそも正社員は高度成長期にあった制度であって、今の時代にそぐわない。でも、それが本来の姿かも

そもそも正社員という仕組みは高度成長期における大量生産、大量消費にあった仕組みです。労働基準法なども工場などで働く人の保護?のためにできたとも思います。

今のようにサービス業が増えた世の中にはマッチしないのではないかと思います。

でも、これって戦前までか、産業革命以前かわかりませんが、人間の歴史において長いことそうだったんだと思います。もちろん当時は農業など第1次産業が多かったのだとは思いますが。

結論は無いけど、正社員になれないからと悲観したり、会社にしがみつくのはやめてはどうかな

で、何が言いたいかというと大した結論はなかったりします。。

冒頭に書いたように、最近、会社を辞めて起業した人と雑談的にこんな話になったのでそのことをまとめただけです。

ただ、正社員になれないからと悲観したり、しんどいのに会社にしがみつくのはやめたらどうかということが言いたいです。

かつては、正社員以外で稼ぐ方法というのがアルバイトか起業しかありませんでした。それゆえに正社員以外では収入と安定性に大きな差がでました。でも、今はお金を稼ぐ方法も増えました。

逆に正社員であっても、会社が明日にどうなるかはわかりません。会社の経営層にいたり、経営している人はわかると思いますが、外からみて安定している企業も倒産寸前まで来ていたということはよくあります。

また、これから複業の時代です。会社に雇われて稼ぐということ以外の稼ぎ方を個々人が獲得していかないといけないと思います。

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