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ネットショップのいたずら注文、なりすまし注文の実情と対策

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ネットショップのいたずら注文、なりすまし注文の実情と対策

先日に 商品代引きでの受取拒否 についての投稿をしたところ、たくさんのアクセスをいただいています。それだけたくさんのネットショップの方が頭を悩ませているのだと思います。

今回は、「商品代引きの受け取り拒否」に類似していますが、「いたずら注文」「なりすまし注文」の実情と対策についです。

ネットショップのいたずら注文、なりすまし注文の実情と対策

商品の受取拒否は注文時には欲しいと思ってたけども、何かしらの理由でいらなくなったというケースが多いのですが、「いたずら注文」「なりすまし注文」はそもそも商品は必要がないのに注文をしてくるケースです。

まず、「いたずら注文」「なりすまし注文」と一口に言っても、嫌がらせのターゲットがネットショップ側の場合と送り先の人の場合の2つがあります。

  1. 嘘の住所などで注文をしてショップ側を困らせようとする意図のいたずら注文
  2. 他人の住所などを騙って注文をして、送り先の人を困らせようとする意図のいたずら注文

当然のことながら、「いたずら注文」「なりすまし注文」は、犯罪です。

ですが、後を絶たず被害が発生するのは、それだけ対策が難しいからです。

「いたずら注文」「なりすまし注文」の発生率と損害額

では、「いたずら注文」「なりすまし注文」の発生率と損害額はどれくらいになるかというと。

「いたずら注文」「なりすまし注文」の発生率について

「いたずら注文」「なりすまし注文」の発生率については、ネットショップの取り扱い商材にもよるので、ショップによって異なりそうですが、さまざまな商材を扱ってきた経験上、注文の0.1%以下です。

※代引きの場合に限った場合には、発生率は0.5~2%ほどです。

そういう意味では非常に発生確率は低いです。

「いたずら注文」「なりすまし注文」の損害額について

「いたずら注文」「なりすまし注文」は、基本的に決済方法として代金引換を利用しての注文をしてきます。「いたずら注文」「なりすまし注文」ですので、クレジット、銀行振り込みなどの前払いはもちろんしません。また後払いの場合には住所等がでたらめなので、審査でNGで出るケースが多いです。

商品代引きでの受取拒否でも紹介しましたが、代金引換で受け取りをされない場合には、往復送料と手数料が発生してしまうため、ネットショップ側は、1,500~2,500円ほどの損害となります。加えて商品の廃棄が必要なケースでは、商品の原価も損害となります。これは、結構な痛手となる金額で、ネットショップを嫌がらせのターゲットとしている場合には有効な方法だとも言えます。

「いたずら注文」「なりすまし注文」の対策

結論から言うと、対策はほとんどできません。対策の可能性としては、

全注文を前払い(クレジット、銀行振込)のみにする

とお金の取りっぱぐれはおきません。また、

商品代引きや後払い決済をやめる

と損額の発生はしなくなります。ですが、商品代引きや後払い決済は多くのネットショップで売上の2割~4割の利用率と言われています。決済の種類は購入をするネットショップ選びにも影響するので、競合が多い場合には難しいでしょう。他に競合がいない商品を扱っている場合には、確実な決済だけを残すというのは一つの方法だと思います。

発送前に電話をするのも多少の抑止効果はありますが、発生確率と損害額と電話の手間と電話代を考えたら割にあいません。

高額商品やオーダーメイド品など送料以外の損失が大きくでる可能性がある場合には、上記も検討の範囲に入るかもしれませんが、難しいネットショップがほとんどだと思います。

「いたずら注文」「なりすまし注文」の犯人を捕まえれるか?警察の対応

「いたずら注文」「なりすまし注文」をする人は、IPアドレスの偽装などをしてまで注文をする人は少ないので、アクセスログを見れば、注文をした人のIPアドレスを特定することはできますので、理論上は犯人を特定できる可能性はあります。

IPアドレスの開示には警察や裁判所から令状・開示請求が必要

アクセスログをみてIPアドレスが判明したとしても、IPアドレスだけでは個人を特定できません。そのIPアドレスを誰が使っていたかという情報が必要です。そのためには、プロバイダー等の協力が必要です。

また、ネットショップをASPサービスで利用していた場合は、IPアドレスの特定にASP会社の協力も必要です。(カラーミーショップの場合にも注文時のIPアドレスはカラーミーショップでないとわかりません。しかし、知識があれば直前のアクセスからIPアドレスをほぼ特定することは可能です。)

IPアドレスは個人情報になるので、プロバイダーやASP会社に開示してもらうためには、警察や裁判所から令状・開示請求が必要となります。ネットショップ側からの事情説明だけではプロバイダーやASP会社も事実か判断できないので、仕方がないと言えば仕方がないでしょう。

警察に被害届を出せば対応してくれるのか?

結論から言うとよほど大きな被害が出ていないと難しいです。「いたずら注文」「なりすまし注文」での実際の被害額が送料往復分の 2,000円~3,000円ですので、なかなか相手にしてもらえません。被害額が大きくなり、その根拠が示せるようであれば、可能性はあると思います。

「いたずら注文」「なりすまし注文」の捜査協力の体験談

私の運営しているショップで送り先を困らせようという目的での「なりすまし注文」が発生しました。被害者のもとに私のネットショップだけではなく、多数のネットショップから商品が送ってこられたということで、警察に被害届を出せれたことがあります。

その際に、警察の捜査協力をした経験があります。

もし、あなたが被害届をだしたらどうなるかということの参考になると思います。

警察の知識が無さすぎてあきれるような状態

被害にあわれた方が警察に被害届を出された結果、警察からの協力要請がありました。

が、警察の知識が無さすぎてあきれる状態

まず、警察からの要望は購入者の情報を開示するように言われるのですが、それがわかれば苦労しません。注文者は別人の名前を騙っているので開示しようがありません。だからこそ、警察に被害届を出して、IPアドレスなどから調査できる状態を作っているのにそれがわかっていない。

状況によっては専門部隊に回すというけど、電話の相手が話を理解できないので話が進まない。

そのことを説明をして、IPアドレスなどを開示することはできますと伝えたのですが、まったく理解をしてもらえませんでした。 その後もいろいろと説明をしたのですが、ネットなどに関してまったく知識が無いようでまったく話が成立しません。もう少し状況がわかれば、専門部隊に回しますというのですが、そもそも話を理解してもらえないので、状況がわかるわけがありません。

こちらからわかっているIPアドレスやログなどを整理して送りますというと、正式に書類(書類名は忘れました。)を郵送するので、それへ返送する形で郵送してくれときました。こちらからメールで送りますよと伝えたところ、警察では、メールなどを受け取れないというのです。(外部から接続できないようにしているというのですが、それはセキュリティ的な観点からわからなくはないですが、万が一のことがあっても大丈夫な別ネットワークを用意したりできないのですかね。)

そうすると数日後に書類が郵送されてきましたので、該当のIPアドレスをさがして、ログなどを整理してメディアに焼いて返送しました。

めちゃくちゃ手間をかけて対応をしてメディアまで提供したのに、その後は何の連絡もない。代引き受取拒否で損害が出たうえに調査作業も大量にさせられ涙目

ですが、その後、何も連絡がありません。ログの抽出や整理に3時間以上かけて、メディアも提供したのに(微々たるものですが。)ですよ。

お礼ぐらい言えないのか??

「届きました。ありがとうございます」ぐらい連絡できないものなのですかね? 個人的な教訓としては、長々と相手したり、作業したりせずにその日の生ログだけ送りつければよかったと思っています。 (完全にグチです。。。)

結果はわからないのですが、あの対応では解決は難しいのではないかと思いました。

真剣に相談したい人は大きな警察署に行った方が良い

もし、いたずらで商品を送りつけられて困っている人、ネットショップでも大量にいたずら注文がある場合には、被害届を出せば警察も動いてくれるということでもあると思いますので、困っている方は警察に相談しましょう。

相談する際ですが、できるだけ大きい警察署に行った方がいいと思われます。(上記の事例も小さな警察署だったために詳しい人がいなかったように思います。)







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